トップページへ  釣行メモ一覧へ 

 2003年6月14日・29日・7月5日 静岡県松崎 
6/29・7/5の釣行の様子は「ぬかすなネットTV」でご覧いただけます

紀州釣り、前人未踏?の地へ

3年前「へなちょこダンゴ釣師」だった頃、伊豆の沖磯に行こうなど、考えもしなかった。
そこは、クラブのロゴ入りウエアで固めた、「本物の釣師」の為の「禁断の場所」。
我々とは別世界というイメージを持っていた。

2001年5月、和歌山県湯浅の磯に挑戦した時も、かなりの勇気を要した。
その前の年の秋に、本物の紀州釣りに出合ってから8ヶ月しか経っていなかった。
それでも湯浅では、永易さんはじめ、フリーダムの方々が付いていてくれた。
最初は、釣り易い時に釣り易い場所で、釣り易くしてもらって、釣果を上げることができた。

あれから2年が過ぎた。たった2年、されど2年。
ふくさんから、松崎の沖磯へ誘われた時、迷いは無かった。
フカセ釣りの有名釣り場であり、クロダイの実績場でもある。
場所によっては紀州釣りでもなんとかなるはずだ。挑戦欲が沸いてきた。

初挑戦はボウズ
初釣行は6月14日。ふくさんと同行。午前5時、まつざき丸は全部で7〜8人の
釣り客を乗せて出港。2m近いうねりの中、船長が最初に着けた岩は、海に突き出す三角形。
風を遮るものも無く、波が叩きつけている。
そして「えっ、こんな所に乗るの?」という急斜面。
ベテランらしき3人が見事な連携プレーで渡礁。
道具が落ちるので、一人が腹ばいになって押さえていた。
それを見て私は正直ビビッた。

さて我々二人は一番最後に、ワンドの中の大きな岩に連れて行かれた。
通称「落ち石」。岸の急斜面からころげ落ちたように、海中に鎮座する、家一軒分くらいある大きな岩である。
やはり急斜面ではあるが、大きいだけに、荷物の置き場はある。
また、ワンドの中なので、波しぶきを受けるようなことはない。

▲斜面はきつく、クーラーの足が活躍 ▲岩の上からふくさんを見る
▲目の前はワンド ▲沖のうねりがウソのよう

パッと見、チヌが釣れても良い場所という感じがした。根拠は・・・無い(笑)
やや水深が浅い(竿1本ちょっと)こと、潮が澄んでいることが気になったが、
チヌがいれば釣れるだろうと、手返しを繰り返す。しかし釣れるのは特大サイズのベラばかり。

途中、チヌくさい雰囲気が出てきたが、アタリの後は全て「藻がかり」。
岩という岩に全て数メートルの長さの藻が生えているのだ。
隙間がある所で、その幅わずか2メートル。
藻の間を狙って団子を投げるが、ハリがかりした魚は藻に逃げ込む。

船長曰く、
「いやー、うっかりしてたよ。まだ藻が切れてなかったねえ」
途中、磯替わりも薦められたが、初めての場所なので、
じっくり攻めてみようと、断った。
ふくさんがグレをキープしたのみで、午後3時撤収。

「落ち石」、今後、藻が切れれば、面白い場所だと思った。

リベンジはひとりで(6/29の釣行は「ぬかすなネットTV」でご覧いただけます)
チヌは釣れる。紀州釣りでイケる。確信した私は6月29日にひとりで再挑戦した。
沖磯なので、二人以上で釣行したいが、今回はふくさんの都合がつかず、
やむを得ず単独釣行となった。

先に船が着いたのは、「落ち石」。熟年のご夫婦が降りた。
その次に、道具に『サバル』のステッカーを貼った男女。
崖のような所へ、しがみつくように渡礁。
「うへー」と思っていると、その隣の崖で、降りろと指示が出た。

とりあえず崖に飛び移ってから、船に残っている釣り人から荷物を受け取る。
単独行なので、荷物を減らしてきて正解である。
クーラー、竿ケース、バッカン、リュック。これらが斜面を転がり落ちないように
体で押さえてから船に合図。

とりあえず、平らな場所を探す。潮が高いので、足下はサラシが出て、時折しぶきが舞う。
冷静になると、クーラーを置くぐらいのスペースは確保できた。
紀州マッハの入ったリュックは、ロープで岩に結んで落下を防ぐ。テトラでの経験が活きた。

▲磯というより「崖」 ▲クーラーに座るスペースは確保

最初の30分は、サシエサを付けず、空バリを団子に包み、いろいろな場所に投げてみる。
船長は正面全体がポイントであるようなゼスチャーをして、離れて行ったが、やはり底の変化は激しい。
海底は砂などではなく、岩のようである。
前方手前は10m程度まで浅く、そこから先が深くなって行く。左右に投げてみると、真ん中が深い。
大まかに言うと、ワンドの中心に向かって深くなる、すり鉢型の地形である
対岸の建物を目安に、駆け上がりの先にポイントを設定する。
しかし、手前の根に仕掛けがかかる為、私としてはかなりの遠投となる。

また、手前でのの根ガカリを避けるため、仕掛けを寝させすぎないようにしたい。
これにはウキを前へ飛ばす必要がある。ウキを前に出すためには竿操作よりも
団子の初速が必要なのではないかと最近感じている。
慣れてきた下手投げで、力まないように注意しながら遠投する。

潮色は前回の「落ち岩」より濁っており、期待が持てそう。(根拠は希薄・笑)
団子は「紀州マッハ攻め深場」と「紀州マッハ」を1対2でブレンド。アミエビは団子約2kgに一握りだけ。
だんだん団子の割れが早くなってきた為、「攻め深場」の割合を増やし、最終的には1対1ぐらいの
ブレンドになっていたと思う。

サシエサはオキアミ・磯エビ・ボケ・サナギ・コーンを用意。
オキアミは一瞬にして無くなるが、ボケへの反応は今一つ。コーンも反応が良くない。
ということで、磯エビをメインとするローテーションになった。

6時頃から、サシエサを付けて釣り始め、1時間半くらいで、何となく「臭いアタリ」が出始める。
しかし、ウキが入って行かない。
さらに本日最初のアワセで、がまかつの「ちぬ競技スペシャルU08-53」を折るアクシデント。
大きくアワセて後ろに持って行った瞬間にパチンと嫌な音がした
背後の崖に当たったのか、以前に傷が入っていたのか・・。穂先が真っ二つ。

▲ちぬスペの悲しい姿

使い慣れたダイコーの「強豪チヌ06-53」に交換する。
こいつは、テトラでも使うので傷だらけだが、折れたことはない。

その直後。微妙なウキの違和感に、聞きアワセをすると手ごたえあり。急いでアワセを入れなおすと
これがなんと本命、チヌ36センチ。(サシエサは磯エビ。後でさばいた所、ほとんど何も食っていなかった)
ハリを飲んでいた。

ひとまず、松崎での初釣果にホッとするが、どうもアタリの出方が気に入らない。
ハワセ過ぎかも知れないが、潮の流れが結構あるので、ウキ止めを詰める気には
ならなかった。しばらく雰囲気は持続したが、その後パッタリ。

2時間後、また「臭いアタリ」が出始めるが、オキアミも磯エビもボケも残って帰ってくる。
一体何が食いたいんだ・・・。
苦肉の策で、マルキューの冷凍サナギを半分にちぎってハリに刺す。
これがなぜかドンピシャリ。一尾目の時と同じ微妙なアタリが出たので、今度は確信を持ってアワセ。

▲タモに入れば安心 ▲2尾目でにっこり

浮いて来たのは、33センチのチヌ。一度飲んだと思われるハリが口まで戻ってかかっていた。
(さばいて見たら、腹の中は海草ばかりだった)
やれやれ、結果オーライだが、アタリが出せない。

その後は雰囲気が出ず、カワハギ25センチ一尾をキープしたのみ。

▲カワハギは磯臭かった ▲松崎の初本命は2尾

2時に迎えの船が来たが、上がりは3時だと思い込んでいた私は、大慌て。
バタバタの撤収になってしまった。他の釣り人を船上で待たせる結果になり、申し訳けなかった。

まつざき丸。5000円で5時出船、14時撤収。
値段の割に、釣りができる時間が短いのが難点である。
釣り場まで往復9時間かかる私には特にそう感じられる。

ともあれ、結果が出てなにより。次は「アタリ」が問題だ。
ただ、アタリを出そうとするのは、人間の都合。
アタリを出そうとタナを詰め過ぎれば、刺し餌が舞い上がったり、
違和感が出たりと、チヌから見れば食いにくい状態になってしまわないだろうか。

うーん、釣りは難しい。

3度目は再びふくさんと(7/5の釣行は「ぬかすなネットTV」でご覧いただけます)
7月5日、今度はふくさんの都合がついた。
私はいつものように金曜の深夜に移動し、松崎港で仮眠。
トイレがあるので助かる。
4時間半のドライブの緊張を、軽く寝酒でほぐしてから眠りに就く。
完全に横になって寝られるワゴン車はありがたい。
ちなみに扇風機、電気蚊取り器装備(笑)
0時半就寝、4時15分起床。

5時前に、まったりと船長がやって来る。
とぼけているような味がまた、たまらない。

▲一番右が船長

今回もサバルのメンバーが同船する。前回とはまた別のカップルである。
我々が下ろされたのは、前回と同じ無名磯。
(そういえば船長が名前を付けてくれと言っていた)

前回の私の釣り座にふくさんに入ってもらう。
私はその横の少し低い磯へ。
ふくさんの側、正面から左方向は前回かなり調べて、ポイントも判っている。
私は、前回調べられなかった正面から右方向を向いて、探索開始。

▲ふくさん、投入 ▲ふくさんと並んで・・・

ところが、百発百中の根ガカリ。しかも回収中にハリが掛かる。
良く見ると岸から太いロープが入っている。昔のイケスのものだろうか。
どうやらこれが原因らしい。
右から中央に向かってロープが無くなるところを探す。
かなり正面を向いたところで根がかりが無くなる。
それとともに、水深がグッと深くなる。
今回はそこの駆け上がりの下を狙うことにする。

結局ここは、ふくさんのポイントと同じ「穴」の反対側の駆け上がりになる。
一つの深いエリアの左の縁をふくさんが、右の縁を私が攻めることになる。
2つのポイントの距離は15m程。

一つの穴を攻めるのだから、二人で一日中、全力で手返ししたら、団子の入れ過ぎに
なるような気がする。
潮が流れているとはいえ、深い所には団子のコマセ効果が溜まるであろう。
団子の集魚は抑えているが、多量になれば魚のボケにつながるのではないか。
特に雰囲気の出ない時間帯の手返しは、一考の余地があると思っている。

また、団子をきちんと締めないと、魚を浮かすことになり、ふくさんにも迷惑をかける。
ふくさんは、糠団子。「紀州マッハ」を使う私は、さらに気を遣う必要があると思った。
「マッハ」は水分量が多くても、一定時間でサクッと崩壊する。
そのため、ともすると表面がもろい団子を握ってしまうことがある。
沈下中にハラハラと表面が剥げ落ちるような団子では、魚を浮かすことにつながらないか。
気になった私は、表面を固くするため、「紀州マッハ」1に対して「攻め深場」2の
割合のブレンドとした。もちろん水加減は慎重に行ない、握りもしっかり締めた。
集魚成分であるアミエビはふくさんと申し合わせて、一握りだけとした。

小さめの団子で一投一投を丁寧に、ゆっくりと手返ししていく。
最初は、アタリを出すために寝ウキを使ってみた。
団子が割れる前にウキ止めを当てても、ウキが立たない設定でトライしたが、
どうも、上手くアタリが出ない。さんざん悩んだ後、「純正永易ウキ、SS、目印小」に変更。

今日の状況で、浮力不足気味の「SS」のチョイスは、釣りを難しくする。
ちょっとしたエサトリのアタリや波などで、ウキが沈み気味になり、本アタリの区別がつきにくいのだ。
本当は「S」を使って、そういった「雑アタリ」を消して、シンプルに釣りをしたい所だが、
前回、その方法でアタリが出せなかった事が気に掛かった。

視認性を犠牲にして「目印小」をチョイスしたのも、浮力の小ささを意識してのことだが、
決して食い込みを良くする為ではない。今の設定では、「食う」タイミングでウキとウキ止めは
当っておらず、魚はウキの負荷をそれほど感じていないはずだから。
それよりも、仕掛けのバランスの微妙な変化をウキに表現させられないか、と考えたためである。
(これが正しい選択という保証はありません・笑)

左から右に流れていた潮が、逆になった。右からの潮にゴミが乗ってやってくる。
その途端に、ウキがゆっくりトップまで沈んで行った。
「イタダキ!」
竿に魚が乗った。グングングン。
これは本命やろ。ふくさんにはボラと言ったが、ここのボラはもっと走る。
途中で魚の動きが止まった。これでグレの可能性も消えた。

よっしゃ、本命。
ふくさんにタモ取りしてもらい、無事にゲット。後検寸35.5センチ。
(サシエサは磯エビ。後でさばいて見ると、貝類を食っていた)

▲とりあえず安心

今日はもうこれで満足。前回の課題であったアタリも出た。
アタリが出た理由は、前回より魚の活性が高かったから、そう考える方が素直かもしれない。
しかし、きちんとトップまで入るアタリは気持ちが良い。
後はふくさんの釣果だ。

格好をつけている訳ではない。一緒にいる釣り人が、均等に釣れる、
それが私が教わってきた「釣り」である。
5人で釣っていて、そこにチヌが10尾いたら、ひとり2尾ずつ釣れるような釣り方。
それは、実は非常に難しい。釣り人の技量も要求される。
また、他人より集魚力を高めて釣ろうという人がひとりでもいたら、成立し
ない釣り方でもある。

ふくさんもそのへんは判っていて、「今、釣らなければ」という思いが手返しから伝わってくる。
ところが、潮に乗ってきたゴミが海面を埋め尽くしてしまった。良い潮なのに、しばらく、
仕掛けが入れられない。
少しすると、チヌの雰囲気が消えてしまった。

しばらくは、私は手返しを控えた。それはふくさんに遠慮したからではなく、
投入される団子の量が多くなり過ぎる事を避けたいと思ったから。

当然ふくさんは、次の「時合い」を目指してコンスタントに団子を投入し続ける。
そこに、私がさらに団子を入れてしまうと、そのエリア全体の魚のボケにつながる
のではないか。今日は、前回より潮の流れが弱いのも気になる。
気が緩んだ私の、握りの甘い団子で魚が浮いてしまうのも心配だ。
気をつけていても、心は釣りに表れるものだと思う。

次に雰囲気が出てきた時、丁度、渡船が近づいてきた。ふくさんは唸った。

船長は「ロープがずーっと入っているから」と言った。
それは、私の探索の通り。
そして船をバックして黙って指差すエリア。そこがポイントらしい。
それは、私が釣ったポイント、そのものだった。
もしかして船長、我々を試しているのだろうか。

しばらくして、ふくさんにも待望の本命。やった。

▲ふくさんも無事本命ゲット

そこからは、私もゆっくりと手返しを再開したが
その後は二人とも本命の釣果はなし。

かなり「臭いアタリ」が出ていたのだが、食わせることができなかった。
途中、底を切った私にはグレが連発。
しかし、グレもずっと同じパターンで食う訳ではなかった。

釣りとは難しいものである。

▲チヌ35.5cm グレ27cm

以上