ティア:ピンク ハイデッカ:青

 

「いいのか?」

「マキシムの事が好きなんだろ。」

「……うん。でもいいの。

あたし、泣けなかったから。」

「それが------」

 

「------ティアってね、涙って意味なの。

あたし、この名前で、小さい頃は、

よくからかわれて、泣いていたわ。」

「そして、いつもマキシムが助けてくれ

てたんだけど、ある日マキシムが言っ

たのよ。『すぐに泣くから、みんなが

面白がっていじめるんだ』ってね。」

「それから、あたしはつらくても、

泣かないようにガンバったわ。

そうしたら、ウソみたいに、みんな

いじめなくなったのよ。」

「それ以来、あたしは一度も泣いていない

のよ。……でも、だめね……大事な

時に泣けなかった。」

「あたしは、もう泣けない女に

なっちゃったのかな……。」

「それは違うと思うな。」

「どうして?」

「まだ、本当に泣かなきゃならない

時が来ていないんだよ。」

「マキシムは、確かにスゴイ男だが

君とは住む世界が違う。

……わかってたんだろ?」

「……うん。マキシムが旅に出るって

言った時から……でも、もういいの。

あたし、あの塔で気づいたの。」

「あたしは、マキシムの事が好きだけど、

戦士としての、マキシムは、

好きには、なれないんだって事が……。」

「戦士としてのマキシム?」

「あたしは、マキシムが心配で、

塔の上まで追いかけて行ったのよ。

でも、それは、戦士としての、

マキシムを信じていなかったのね。」

「もう、会えなくなるかもしれない。

そう思うと、足手まといになると

わかっていても、マキシムの元へ

行きたくなるのよ。」

「それで、やっぱりマキシムを

よけいな危険にさらしてしまった。

……でも、セレナさんは違ったわ。

マキシムを信じて、待つと言った。」

「あたしも待ったけど、とてもダメ。

マキシムのことを考えると、胸が

はりさけそうになるの。」

「あの人が戦いに行くたびに、こんな

思いをするなんて、あたしには、

たえられない……。」

「あの人の事は、今でも愛しているわ。

だから……もうついては行けない。」

「会っていかないのか?」

「ええ。今、マキシムに会うと

泣いちゃうかもしれないし……。

あたしは、カンタンには泣かないって

決めたんだから……。」

「……いつか、きっと自然に泣ける

時がくるよ。

君は、涙がかれてる女には見え

ないから……。」

「……ありがとう。

あなたの言葉は、元気がでるのね。

なんだか、スッキリしたわ。」

「ふっ、じまんじゃないが、俺は剣の

次に得意なのが、人を元気づける

事なんだ!」

「うふふっ!本当にありがとう。

マキシムに伝えて、あなたに

まけないくらいステキな人を、

きっと見つけてみせるからって!」

 

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