シオン 

本当に死にたいわけじゃない。
本気で死ぬつもりでもない。

―――シオンは放浪を続けていた。
100年前、少年がルフィアを求め旅を続けたのと同じだった。

(生きる意志など無い・・・けど)

本当に死にたいわけじゃない。
本気で死ぬつもりでもない。

要は脅しなのか?

いや、脅しとはまた違う。人に言うわけではないから。
自分自身でそう思う。ふと思ってしまうのだ。

甘え?
これも違う気がする。たしかにそうとも取れるのだが。
死ぬのが怖いだけなのか?

行き詰まったら死ねばいいや」というのは、
一種の防火壁、保護膜みたいなもののような気がする。

…上手く説明できない。言葉が思いつかない。
俺は何が言いたいんだろう?

決して「死にたい」という願望を強く持つのではない。

「別に死んでもいいよ」「あ、俺もう死ぬから」
このくらいあっさりしたもの。

「今日は疲れたからもう寝るね」
と言っているのと同じ感覚。

苦しんでまで生きる必要はない。

そういう考えを持っている自分も確かにいる。

俺は生に対して投げ遣りになってる部分があるみたいだ。

 

何でそんなに生きようとするの?

 

旅の途中の町で、必死にモンスターと戦っている姿を多く見かける。

あの人達は何であんなにも生きることに執着している?
そこまでして生きたいか?

悪いけど今の俺はそこまで思えない。

その割には彼らを見て涙を流すとはどういうこと?

自分が惨めに思えてきたのかも。生に対して淡泊な自分が。
そして、その度に俺は一緒に戦っていた。

命は尊いものだと思うし、
周りの人のことを考えたら簡単に死ぬコトなんて出来ない。
俺が死んだら悲しむ人がいるのも分かっている。

でもその反面、
「苦しい思いをしてまで生きる必要があるのか」
と思ってしまう自分もいる。

かといって、別に死にたいわけではないし、
死のうと思っているわけでもない。

自分は死んでもいいと思うけど、
自分の周りの人が死ぬのはなかなか受け入れられない。
というか、イヤだ。そんなことあってほしくない。

お願いだから死なないでね。

でもそんなの無理な話。

死にたくなくても死はやってくる。

 

―――そして

一人の神と、アレクディアスが降臨した。

 

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