アレクディアス

 

―――5000年前。

一人の少年が、この世界に生まれた。

同じ時、デュアルブレードもこの世に生まれた。

 

その少年は、ごく普通に女性を愛し、

ごく普通の生活を送っていた。

ただ、違っていたのはその波動の強さであった。

生まれながらに精神波動が人並みはずれた強さがあった。

しかし、その力は発揮する必要はないため、

少年自身も気付く事は無かった。

 

その結果、なにも知らず、少年はデュアルブレードの力を得る事となる。

その力を持った事を知るのはずっと後になってからであった。

 

ある時、最愛の女性を失う。

その原因が、未完成な地上で生まれた、

未完成な人間のせいであった。

 

少年が留守の間、

女性を生贄として神に差し出したのだ。

 

恐怖や混乱や殺戮や破壊、加えて

愛や希望の神もいない世界……。

しかも、自分の中で生まれてくるそれらの感情にも気付かずに

ただ生きていただけの人間。

 

自分の行ないに責任を持たず

全てを他のモノに責任を押し付けていた。

 

その、他のモノの代表が神……。

その神に生贄(いけにえ)を出し、

自分たち人間の行ないを正当化していた。

 

「殺してやる……!」

 

一人の女性を心から愛していたからこそ、

心から怨んだ。

その思いが、デュアルブレードと共鳴。

恐怖や混乱や殺戮や破壊をその人間に与えること

を強く願った。そして、ディオスなどの神が生まれる。

その時、デュアルブレードの存在と役割を知った。

 

「そんなに望むんなら、俺がその神になってやる……。」

 

―――この時、少年はこの力を乱用した。

ディオスたちが、あっけなく復讐すべき人間たちを

殺し、目標を失った少年は、

今度は愛や希望の神を生み出す事を望んだ。

 

が、恐怖などの神を生み出した時に生まれたほどの

波動は生まれなかった。

よって、愛や希望の神は生まれなかった。

 

長い時間がたち、殺戮の神が、少年が愛していた

女性の生まれ変わりである事を知る。

その瞬間、少年は激しい後悔とやるせない気持ちを生み出した。

そして、後に殺戮の神は、愛の神として生まれ変わる事になる。

 

そう……その愛する女性の名はエリーヌ。

そして、少年の名はアレクディアス。

 

エリーヌが愛の神として生まれ変わったのも、

アレクディアスが心の奥底から全ての人間に愛の御加護があるように

望んだものだった。

 

が、最初に理性をなくした悪意を持った波動を放出したため、

その波動をデュアルブレードが増幅……。

簡単に善意ある波動をデュアルブレードが共鳴してくれなかった。

このままでは、恐怖や殺戮で満たされている、

自分が生きていた世界と変わらない…。

アレクディアスは悩んでいた。

 

(エリーヌが愛の神になったのは、

 セシルやルフィアの”人間”としても波動が強かったからである。

 それを、アレクディアスは自分の波動の力と誤解。)

 

アレクディアスは自分を止めてくれる人を望んだ。

地上を救える人物の誕生を。

―――そして、人間の自立を。

その願いをデュアルブレードに込め、地上にはなった。

 

その後、生まれてくる人間に、その波動が付加され

後に自身を倒す力を持つ人間へと成長する。

名前はマキシム……。

 

もし、人間が、アレクディアスが生まれた頃の人間と変わっていないのなら

おそらくデュアルブレードと共鳴する人間は生まれなかっただろう。

 

自ら消える事も可能であった。

しかし、アレクディアスが知っている人間だけが地上に生きるのは

自分と同じ思いになる人間が出てくることを知っていた。

だから、人間たちを試していたのだ。

恐怖、混乱、殺戮、破壊の恐ろしさを教え、

それを知った上で自らの力で自立していけるかどうか。

その力がある=自分が消える。

ことを意味していたからであった。

 

そして、シオンに倒された。

これはアレクディアスが長年望んでいた事。

長年にわたる、神の戒めから開放出来たのだ。

 

これが、かなったと言う事は、この時点で

まだデュアルブレードがアレクディアスに共鳴していたのだろうか?

 

いや…それは無い。

あの時はすでにシオンが正式なデュアルブレードの共鳴者であり、

アレクディアスは共鳴させる気は無かった。

その思いがかなったのは、”人間”としての中から生み出すもので

倒されたのだろう。

 

―――強くて弱かったアレクディアス。

最後にも、次に地上を統治するものに

試練与えていた。

 

最後の試練…。

その先に待っているものとは…?

 

<前の章へ>

<次の章(BAD  Ending)へ>

<次の章(HAPPY Ending)へ>

<次の章(True Ending)へ>

<TOPへ戻る>