最終章(後編)

Bad  Ending
Happy Ending
True Ending


 Bad  Ending

 

そこには、俺の知らないキミがいて…。

この世界の全てを見るような瞳で何かを見ていたね…。

その瞳から、俺が消えた時…。

キミは何を求め、何を探して歩くんだろう…?

 

「………。」

全てが見た事のある風景の中で

一人の少女がシオンの前に立った。

 

恐ろしいほどの静寂だった。

風の音や、木のざわめきすら、なにも聞こえない。

…なぜなら、全ての生が生き絶えていたからだ。

 

セシルは殺戮の神としてこの場に降臨していた。

セシルが全ての生を奪ったのだ。

 

「セシル……。」

「………。」

俺の呼びかけに何も答えない。

 

アレクディアスを倒した時、

彼の残留波動があの時セシルに流れ込んでいった。

今、目の前にいる少女はセシルであって、セシルで無い。

ルフィアや、ナキさん、エリーヌやアイリスといった波動が

一つとなって形を作っている。

 

セシルを取り戻すためには、

様々な神の精神波動を取り除かねばならなかった。

 

これが、アレクディアスの最後の試練だった。

デュアルブレードを使って、最愛の女性を取り戻せるのかどうか。

 

…アレクディアスがセシルに入りこんだのは、

恐らくセシルの中にあるエリーヌの波動に引かれたのだろう。

 

セシルは、元々神クラスの波動の上に

神(エリーヌ)の波動が加わったため

人間としてのセシルの人格は崩れ去っていた。

 

仮に今デュアルブレードの力を使っても

セシルはもう戻ってこない。

 

(もう少し早く助ける事が出来たら…。)

 

セシルの事を助ける事が出来たのは

俺だけだった。それができなかった。

ほんの僅かでも、救える事ができてのだろうか…?

…今は、この現実を受け止めるしかなかった。

 

(このまま神としてのセシルと暮らすという選択もある…が。)

デュアルブレードに自分の波動を込める。

 

シオンも、度重なる波動で…

特にアレクディアスとの戦いで

自分の限界以上の波動を生み出したために

人としての波動が壊れていた。

 

シオンは目の前の少女を、敵としてとらえていた。

決して、倒したいわけでは無い。

救いたいわけでもない。

なにもしたくない。

ただ、考えるのに、もう疲れただけだった。

 

「疲れたよ…セシル。
 休もう…。もう…休もう。」

デュアルブレードが共鳴する・・・。

 

その瞬間

何かが終わり、そして始まった。

 




そして、一年の歳月が過ぎた。

 

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 Happy Ending

 

なぜこの胸から愛は生まれていく?
せつない気持ちや分かれなんて知らなければ
楽だったのにね…。

それでも想う 貴方のことを…。
貴方と出会った事は後悔しないよ…。

 

―――出会いは、単純なものだった。

俺もセシルも普通に生を受けこの世界に生まれた。

マキシム…いや、アレクディアスの波動と

エリーヌの波動がめぐり合った。

 

アレクディアスが、デュアルブレードの力を使い

俺とセシルは出会った。

 

しかし、デュアルブレードも神であるがゆえに

キッカケしか与える事が出来なかった。

 

過去に、アレクディアスとエリーヌがいなかったら

俺たちはお互いの存在すら知らなかっただろう。

 

―――が、俺とセシルの”今”は

俺たちが築き上げた結果だった。

 

「セシル……。」

「………。」

 

アレクディアスを倒した時、

彼の残留波動があの時セシルに流れ込んでいった。

 

今、目の前にいる少女はセシルであって、セシルで無い。

ルフィアや、ナキさん、エリーヌやアイリスといった波動が

一つとなって形を作っている。

 

セシルを取り戻すためには、

様々な神の精神波動を取り除かねばならなかった。

 

これが、アレクディアスの最後の試練だった。

デュアルブレードを使って、最愛の女性を取り戻せるのかどうか。

 

…アレクディアスがセシルに入りこんだのは、

恐らくセシルの中にあるエリーヌの波動に引かれたのだろう。

 

(最後の最後まで迷惑なやつだ…。
 自分の夢をかなえるために他人を巻き込むなよな…。)

 

俺の前にセシルを返したのも、今思えば

自分を止めて欲しかったからだろう。

俺がセシルを思う気持ちも、セシルが俺の事を思う気持ちも

アレクディアスは分かっていた。

自分を止められる可能性を奴なりに、俺たちに与えていた。

 

…最後もやはり、このデュアルブレードに頼る事となった。

今は、アレクディアスの支配下にあるのではない。

100%の力がシオンの為に発揮される。

 

セシルを取り戻し、ルフィアやナキをも自由に出来るかどうか。

これまでの生き方にあった。

 

全てが幸せになれるはずが無い…。

アレクディアスはそう逃げて今回の出来事が起こった。

 

しかし、アレクディアスは一番簡単な”自分”を幸せに出来る事は出来なかった。

波動が強く、心が弱かったために、後悔の念が”自分”を許せなかったのだろう。

関係の無い他人を傷付けて、傷ついて、傷付けられて…。

最後には破滅の道を歩んだ。

 

アレクディアスは他人に力を求める事により、

エリーヌと再び昔の思い出を再現するという

希望はかなわなかった。

 

「けど…俺は違う!」

 

全てを救ってやる!

誰でもできる事だ。

努力すると言うことは、後悔しないという事。

 

(どんな結果になろうとも、もう、後悔しない。)

 

もし、今までの事を後悔したら、

セシルになんと言って謝るべきなんだろう?

傷ついても、傷付けても、傷付けられても、

その思い出自体を後悔したくはない。

全ては”思い出”なのだから。

 

「今までも、これからも、
 愛しているよ…セシル。」

 

そして、自分の波動をデュアルブレードに込める。

 

「デュアルブレード…
 俺の波動を受け止めてくれ!」

 

デュアルブレードに増幅されたシオンの波動が

セシルと…地上全体に広がる…。

 

確かなものなんて
何も無いさ どんなに見渡しても。
だけど うれしい時や悲しい時に
あなたがそばにいる。

 




そして、一年の歳月が過ぎた。

 

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 True Ending

 

「セシル……。」
「………。」

誰かを求め…
何かを求めていた…
ただ、側にいるだけで…
その曖昧なものを見つける事が出来ると思っていた…。

「セシル……?」
「………。」

あなたは何故、私の側にいてくれるの?
あなたは何故、いつも助けてくれるの?

「………。」

ナゼ……

「あなた……誰?」

 

「え……?」
シオンはその言葉の意味を理解できなかった。

「アレクディアス…マキシムと同じ波動がした…。
 あの少年とも…そして、あなたとも。」

「セシル……。」

「…あなたは誰なの?
 なんで、あたしの前に現れたの?」

 

「…もしかして……。」

そう……、アレクディアスの最後の試練は
セシルの記憶…シオンとの”思い出”を消し去った事であった。

 

セシルを殺したわけではない。
会えなくなったわけでもない。
目の前に存在している。

手の届くところにいる…。
手を伸ばせば、この両手で抱きしめる事が出来た。

しかし…。

「私のするべき事は……。
 わかっている……。」

「………。」

セシルの波動が膨れ上がる…。
明らかに、俺に向けられた殺意の波動だった。

 

―――出会いは、単純なものだった。

俺もセシルも普通に生を受けこの世界に生まれた。

マキシム…いや、アレクディアスの波動と

エリーヌの波動がめぐり合った。

 

アレクディアスが、デュアルブレードの力を使い

俺とセシルは出会った。

 

しかし、デュアルブレードも神であるがゆえに

キッカケしか与える事が出来なかった。

 

過去に、アレクディアスとエリーヌがいなかったら

俺たちはお互いの存在すら知らなかっただろう。

 

―――が、俺とセシルの”今”は

俺たちが築き上げた結果だった。

 

アレクディアスを倒した時、

彼の残留波動があの時セシルに流れ込んでいった。

 

今、目の前にいる少女はセシルであって、セシルで無い。

ルフィアや、ナキさん、エリーヌやアイリスといった波動が

一つとなって形を作っている。

 

セシルを取り戻すためには、

様々な神の精神波動を取り除かねばならなかった。

 

これが、アレクディアスの最後の試練だった。

デュアルブレードを使って、最愛の女性を取り戻せるのかどうか。

 

…アレクディアスがセシルに入りこんだのは、

恐らくセシルの中にあるエリーヌの波動に引かれたのだろう。

 

(最後の最後まで迷惑なやつだ…。
 自分の夢をかなえるために他人を巻き込むなよな…。)

 

あなたがいたから笑っていられたよ…

あなたがいたから強くなった…

傷付けて、泣いたりもしたけど…

あなたがいたから…

生きていられたよ…。

 

「お前は…セシルだよ。」
シオンは、ゆっくりとデュアルブレードに
波動を込め始めた。

セシルと……
全てを救うために。

「セシル……愛している。
 今までも……これからも。」

デュアルブレードに増幅されたシオンの波動が
セシルと…地上全体に広がる…。

 

―――その時、

「エリーヌ……。」

セシルの中でも、波動は共鳴していた…。

 

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